各地域での予選大会を勝ち抜いた精鋭15チームが凌ぎを削りあったGuam Championship本大会。
グループリーグから各試合でハイクオリティな闘いが繰り広げられ、決勝トーナメントではファイナルで見てもおかしくないカードが目白押しとなる中、
一段一段着実に駒を進めた東洋大学 FC Liberte、京都産業大学 ONZEの2チームがファイナルの舞台へ辿り着いた。
個々の確かな技術が輝く個性派集団の東洋大学 FC Liberte、
1試合1試合チーム全員で全力で楽しみながら関東勢をなぎ倒してきた関西の雄、京都産業大学 ONZE。
両チームともに個性が際立つ『色』のあるチーム同士のファイナルとなった。
天候にも恵まれ、快晴のピッチに立つ両チーム。
共に試合前からグアムへの熱い想いを口にする中、運命のKick off を迎えた。
開始直後3分、京都産業大学 ONZE(以後、ONZE)8番桑垣が左からドリブルで持ち込み、シュート。これがオープニングシュートとなる。
続く7分、東洋大学 FC Liberte(以後、リベルタ)39番榊原がペナルティエリア左から、シュート。
前半戦序盤は、緊張からかONZEが準決勝の勢いを見せられず、徐々にリベルタが中盤を支配。
10分、リベルタ34番深尾が右からのボールをトーキックでゴールを狙うも力が入らず。
11分には、リベルタ39番榊原が見るもの全員を欺くロングシュートをハーフウェイライン手前から試みるも、ゴール上を越えてしまう。
15分には、ONZE55番香川が絶妙なアーリークロス。8番桑垣は、そのボールを受けるとそのままドリブルでペナルティエリアへ侵入。
しかし、リベルタDF陣も体を上手く入れてプロック。
すると今度は、17分にリベルタ34番深尾が絶好のタイミングでスルーパスを16番西岡へ。西岡はそのままシュートを放つも、ボール1個分ゴール左へ逸れ、得点とはならず。 これが前半一番の得点の雰囲気を感じさせるシーンとなった。
拮抗したまま迎えた24分、リベルタは右サイドからクロスを上げる。12番天下谷が難しい体勢から体をひねりながらヘッド。
華麗な放物線を描いたボールは、ゴール右隅へ吸い込まれ、1-0。前半終了間際に均衡が破れる。
その直後にONZEも負けじと8番桑垣がドリブルでサイドをえぐり、クロス。51番三谷が合わせるも、ゴールラインを割り、同点ならず。
落ち着いた入りから打って変わって白熱した前半はここで終了。
前半途中からONZEベンチメンバーの声援が大きくなり、チームを盛り立てた印象。
後半は前半の流れのまま、テンションの高い試合運びとなり、2分にはONZE7番谷本がCKを直接狙うなど、ベンチの声と共にチーム全体が活気付くONZE。
徐々にONZEが試合を盛り立てる展開へ。
すると前半から鋭い動きでリベルタゴールに襲い掛かっていたONZE8番桑垣が右サイドを三度えぐると、マイナスに折り返す。
中央で待ち構えた56番豊島がこれを落ちついて合わせ、同点。
試合は再度拮抗するかに思えたその直後の後半5分。右サイドで与えられたリベルタのFK。
キッカーは2番山川。大きく弧を描いたボールは、吸い込まれるかの様に長身FW西岡の頭へ。
西岡が完璧に合わせ、ゴール左隅へ。
のっけからハイテンションの後半戦は、2-1と再びリベルタがリード。
後半11分、ONZE56番豊島が左サイドをドリブル突破し、クロス。これは合わず。
13分には、右FKを7番谷本が狙うも直接GKへ。
その後は両者互いに譲らず、試合終了かと思われた後半23分。
なんとかペナルティエリアへ侵入したONZE56番豊島がエリア内で倒され、PK獲得。
これを落ち着いて沈め、2-2同点。劇的な展開でONZEが追いつき、試合は延長戦へ。
延長前半戦は互いに譲らずスコアレスのまま、延長後半へ突入。
誰もがPKの2文字が脳裏によぎる中、延長後半開始直後、
ONZE51番三谷が左サイドを駆け上がり、クロス。
ゆっくり、ふわりと放物線を描いたボールは中央で待つ15番丹羽の右足へドンぴしゃり。
これを丹羽が確実にインサイドボレー。
放たれたボールは、綺麗にゴール左へ吸い込まれ、劇的以外に表現の仕様がない逆転弾が決まる。
その後、リベルタも全員で攻め立てるもONZE DF陣を攻略出来ず・・
無情にも試合終了の笛がなり、京都産業大学 ONZEが関西勢初のグアム遠征を勝ち取った。
両チームともに、ファイナルに相応しい熱戦を繰り広げ、観る者を魅了した。